弁護士堀康司(常任理事)(2001年10月センターニュース163号情報センター日誌より)
司法制度改革審議会の中間報告で、民事訴訟において原則として弁護士費用を敗訴者に負担させるという構想が突如として打ち出されたのは昨年11月のことでした。このような制度では医療過誤訴訟は萎縮の一途をたどるとの危機感から、医療事故情報センターではアンケート調査を行い、その結果を踏まえて今年2月に司法審宛てに導入反対の意見書を提出しました(詳細は医療事故情報センターホームページをご覧下さい)。
敗訴者負担制度については、同様の反対意見が司法審宛てに多数寄せられた結果、今年6月に発表された司法審の最終意見書に「不当に訴えの提起を萎縮させないよう、これを一律に導入することなく」という表現が入るに至りましたが、これだけ根強い反対意見にも関わらず、未だ原則導入という姿勢は崩れていません。今後も予断を許さない状況です。
司法審はすでに司法制度改革推進準備室に引き継がれ、司法制度改革は第2ラウンドに入って具体的法案検討が開始しています。これからが正念場です。同準備室でも引き続き意見を募集しておりますので、各地弁護団を初めとする皆様からも是非この点について反対の意思表明を繰り返し行っていただけることを切望しています。
○意見書宛先 〒105-0001東京都港区虎ノ門1-18-1 虎ノ門10森ビル
司法制度改革推進準備室