弁護士園田理(常任理事)(2007年6月センターニュース231号情報センター日誌より)
最高裁から平成18年の医事関係訴訟統計(速報値)が発表されました。
※グラフはこちらをご参照ください。
新受、既済、未済の件数
平成18年の新受件数(地裁で新たに提訴された件数)は912件。平成16年をピークに平成17年から2年連続減少し、平成18年は概ね平成14年の水準に戻りました。
診療科目別割合
新受件数のうち診療科目別の割合については、外科が平成17年に比べ7.1ポイント減少したところが少し目立ちます。
平均審理期間
平成18年の既済事件の平均審理期間は25.1ヶ月。審理期間の短縮化傾向は依然継続中で、平成15~17年が短縮幅やや鈍化の傾向を示していたのに対し、平成18年は再び短縮幅を伸ばす傾向を示しています。
判決と和解の比率
平成18年の既済事件の終局区分のうち判決は35.3%、和解は53.3%。判決割合が減り、その分和解割合が増える傾向が続いて、この10年間では最も判決割合が減り、和解割合が増えています。
認容率
判決の勝訴率(一部認容を含む)は35.1%。平成15年から徐々に低下していっており、ここ10年間では平成11年に次いで2番目に低い率になりました。