柄沢好宣(嘱託) (2017年6月センターニュース351号情報センター日誌より)
2017年6月より医療事故情報センター嘱託のお役目をお任せいただくこととなりました、弁護士の柄沢好宣と申します。
「情報センター日誌」では、2016年11月号から2度ほど記事を書かせていただいておりますが、この場をお借りして、改めてご挨拶を申し上げたいと思います。
私は、司法修習期は67期で、今年で弁護士3年目となります。
私が弁護士を志したのは、ちょうど“20歳の受験シーズン”の頃でした。実は、当時、医師を目指して3度目の医学部受験にトライしていたのです。
結果としては健闘むなしく(?)、医師としての道を諦めざるを得なくなったわけですが、当時の予備校での担任教師から、「医者がダメなら弁護士になればいいじゃないか」とマリー・アントワネットのようなことを言われ、「なるほど!弁護士として医療に関わっていく方法もあるな!」と思い、思い切って進路を変更することにしました。
今振り返っても、我ながら大胆な決断をしたものだと思います。しかし、患者さんが安心して医療を受けられるために仕事がしたい、もっと医療をよくしていきたいという思いが根底にあったので、あまり抵抗感なく、こうした思い切った決断をすることができました。
大学は金沢大学の法学部に進学しましたが、在籍中のゼミも、医療と法律に関する問題を扱えるゼミを履修しました。ゼミでは、医療過誤事件に限らず、生殖補助医療などの生命倫理の分野についても学びました。
弁護士として医療に関わっていきたいという思いは依然として強く、加藤良夫先生が教授をされていた南山大学法科大学院に進みました。
一口に「弁護士として医療に関わる」といっても、いろんな形があるとは思います。私の場合、加藤先生やエクスターンシップでお世話になった増田聖子先生からご指導をいただく中で、いわゆる患者側代理人として関わっていきたいという思いを固めていきました。
司法試験合格後、加藤先生に堀康司弁護士を紹介していただいたことをきっかけに、弁護士登録当初から、堀弁護士のもとで医療過誤事件患者側代理人業務専従の弁護士として執務を開始することができました。
弁護士登録当初から医療事件だけに業務を絞るというのは、かなり珍しいことだと思います(同期の仲の良い弁護士からは、「愛知県弁護士会始まって以来の変わり者」と言われましたが、ひょっとしたら、日本中でも初めての変わり者かもしれません)。しかし、身近に患者側代理人としてご活躍されている諸先輩方が数多くいらっしゃる環境に恵まれ、こうした変わり者でも、なんとか2年間、弁護士としてやってくることができました。また、今後も同様に患者さんの立場で様々な活動を続けていけたらと思います。
これまでは、常任理事として、センターの末席に加えていただいておりましたが、これからは嘱託として、センターの運営のお手伝いをさせていただきます。
センターの運営に関することも含め、まだまだわからないことばかりですので、会員の皆さまにはご不便、ご迷惑をおかけしてしまうことも多々あろうかとは存じます。それでも、皆さまからご指導を仰ぎつつ、また、センター事務局の支えを受けつつ、精一杯尽力して参りますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。