松山健(常任理事) (2017年11月センターニュース356号情報センター日誌より)
制度運用開始から丸2年が経過
2015年10月にスタートした医療事故調査制度が制度運用開始から2年が経過しました。
2年間の累計件数
日本医療安全調査機構は、10月10日、平成29年9月末現在までの状況について「医療事故調査制度の現況報告(9月)」を公表しました。
(累計件数)
医療事故報告 |
751 |
病院(704) |
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診療所(47) |
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院内調査結果報告 |
476 |
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相談(件数) |
3732 |
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相談(内容による複数計上) |
4246 |
事故報告 |
判断(1438) |
手続(1096) |
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院内調査 |
886 |
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センター調査 |
230 |
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再発防止 |
10 |
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その他 |
586 |
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センター調査依頼 |
43 |
遺族(32) |
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医療機関(11) |
制度運用開始からの累計の医療事故報告件数は751件、院内調査結果報告件数は476件、相談件数は3732件、センター調査依頼件数は43件でした。
事故報告に関する相談が6割
相談件数の内容による内訳では、事故報告に関するものが、2534件と約6割を占めており、事故報告のうち、運用当初4~50件で推移していた判断についての相談件数が運用開始後半年後くらいから減少し始め、運用開始1年後くらいからは10件台で推移するようになっていますが、手続に関する相談件数は運用開始後数カ月から40件前後でほぼ安定しています。
判断についての相談件数が比較的減少して低調化していることについては、本稿でもご紹介した解釈の統一化を図るべく医療事故調査支援団体の中央協議会が発足したことの効果が多少なりとも見られるのかもしれません。
もっとも、事故報告に関する相談件数が半数以上を占めることは、依然として医療現場に対する制度の周知が不十分な現状を表しています。
まとめ
制度発足時に当初届け出の件数として想定されていた年間1300~2000件に対して、2年間でも751件と、1300件の半分にようやく手が届く程度の報告件数に留まっていることは今後、本制度を真に医療安全のために貢献する制度にしていくうえでの重要な課題といえるでしょう。