柄沢好宣(嘱託) (2019年10月センターニュース379号情報センター日誌より)
「世界患者安全の日」と「医療安全推進週間」
9月17日は、「世界患者安全の日」(WPSD:World Patient Safety day)でした。世界患者安全の日は、患者安全を促進することへの人々の意識・関心を高め、国際的な理解を深めるとともに、加盟国間の連携や行動に取り組むことを目的として、本年5月のWHO総会で制定されました。
制定までの経緯は次のとおりです。
2016年3月
第1回閣僚級世界患者安全サミット(英・ロンドン)でWPSDの概念を提案。
2017年3月
第2回閣僚級世界患者安全サミット(独・ボン)で9月17日をWPSDとすることを提案。
2018年4月
第3回閣僚級世界患者安全サミット(東京)で、WPSDの制定を推進することを含む「患者安全に関する東京宣言」を公表。
2019年5月
WHO総会でWPSDを制定。
9月17日は、ドイツ、オーストリア、スイス等のドイツ語圏において、もともと「国際患者安全の日」として患者の安全に関する集会を開催していた日でもあるそうです。
制定後初となる2019年は、「Speak up for patient safety」(患者安全について積極的に話しあう)とのスローガンも掲げられています。
日本でも、2001年から「患者の安全を守るための医療関係者の共同行動」(PSA:Patient Safety Action)と銘打って、総合的な医療安全対策を推し進めており、その一環として、11月25日を含む一週間が、「医療安全推進週間」とされています。
医療安全に関する企画
「世界患者安全の日」と「医療安全推進週間」が重なってくることもあってか、9月から11月にかけて、各地・各団体で医療安全をテーマとしたイベントが多数企画されているようです。
紙幅の都合上、逐次ご紹介することは控えますが、詳細はこちらのWebサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06247.html)をご覧ください(世界患者安全の日に関する紹介も、こちらのサイトを参照しています)。
全国一斉相談受付も開催します
医療事故情報センターでも、10月12日(土)午前10時~午後3時に全国一斉相談受付を開催します(ただし、一部地域では、受付日時が異なる場合があります)。
各地医療問題弁護団・研究会等のご協力を得て、全国55か所で、医療事故に遭ったかもしれない方やそのご家族等から、電話での法律相談の受付を行います(あくまでも、相談の受付であり、その場で相談にご対応するものではありませんのでご留意ください)。
詳細は、医療事故情報センターホームページでも掲載予定です。
思えば、今年の一斉相談受付も、医療事故調査制度が2015年10月1日に運用開始となって5年目の節目を迎えることを踏まえて、10月に開催することとなりました。秋は、医療安全について考えるのに、ちょうどいい季節なのかもしれません。