2020年7月1日発行 通巻388号
特別企画
新型コロナウイルス感染症拡大による患者側代理人業務への影響 ―アンケート結果のご報告―
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、裁判所等における期日対応のほかにも、医療関係者と接触をもつ機会も多い患者側代理人としての活動にも少なからぬ影響を及ぼしています。その一方で、今回の問題は、今後の患者側代理人としての活動のあり方に一石を投じるものでもあったように思われます。
そこで、新型コロナウイルス感染症により、患者側代理人業務を遂行する上で具体的にどのような影響があったか、それを踏まえて今後どのように対応していく必要があるかを考えるべく、各地医療過誤問題弁護団・研究会のご協力もいただきつつ、アンケートを実施いたしました。
その結果をご報告いたします。
判決速報
血小板数が基準値の半分に満たず、低下していたにもかかわらず、専門他科への転送義務を怠ったこと、転送義務違反と死亡との間に相当因果関係があることが認められた事例
井上 直治(奈良弁護士会)
症例報告 その1
精神科病院に入院していた患者が急性肺血栓塞栓症により急変してショックになり、その転送が遅れたために死亡した事例
北潟谷 仁・柴田 誠一(札幌弁護士会)・菅沼 雄一郎(旭川弁護士会)・原 琢磨(札幌弁護士会)
症例報告 その2
介護施設において、不適切な介助によって浴室内で転倒し、大腿骨遠位部骨折をきたし、施設内で骨折を見逃してその治療が遅れた結果、自力歩行ができず寝たきりになった事例
原 琢磨(札幌弁護士会)
症例報告 その3
未破裂脳動脈瘤の予防的手術により重篤な後遺障害が発生した事例
寺本 ますみ・水野 功(愛知県弁護士会)
情報センター日誌
医療情報等の共有に向けての環境整備
松山 健(愛知県弁護士会)