柄沢 好宣(嘱託) (2021年2月センターニュース395号情報センター日誌より)
感染症法改正案閣議決定
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、1月22日、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)や新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案が閣議決定されました。感染症法改正案では、新型コロナウイルス感染者が入院措置に応じない場合や入院先から逃げ出した場合等に罰則が科されることも盛り込まれています。
各団体からの反対意見
感染症法改正案にこうした罰則規定が設けられていることについて、各種団体からこれに反対する声明等が公表されています(1月25日現在)。
■一般社団法人日本医学会連合
「感染症法等の改正に関する緊急声明」
https://www.jmsf.or.jp/uploads/media/2021/01/20210114140330.pdf
■一般社団法人日本公衆衛生学会・一般社団法人日本疫学会
「感染症法改正議論に関する声明」
https://www.jsph.jp/files/seimei20210114.pdf
■全国保険医団体連合会
「入院・情報提供拒否への刑事罰導入や、勧告を受けられない病院名の公表は、撤回を」
https://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/210118_seimei_sml.pdf
■一般社団法人日本エイズ学会
「感染症法等の改正について」
https://jaids.jp/wpsystem/wp-content/uploads/2021/01/99b5ffff1e3989dc4e1ce423a95ded0a.pdf
■ハンセン病家族訴訟弁護団
「感染症法等の改正案に強く反対する弁護団声明」
■ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会
「感染症法改正に関する意見」
https://hansen-kazoku-sosyou.jimdofree.com/
※上記URLから両団体の声明等をご覧いただけます。
■患者の権利法をつくる会
「感染症法改正に関する意見書」
※紙幅の都合上、同会ホームページのURLを掲載しています。
■日本弁護士連合会
「感染症法・特措法の改正法案に反対する会長声明」
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2021/210122_2.html
■医療問題弁護団
「感染症法改正に関する意見書」
https://iryo-bengo.com/wp/wp-content/uploads/2021/01/d2d1979a98f2b2561649d148561a066b.pdf
理事長声明を公表しました
罰則規定を設けることにより強制力を持たせることは、常に個々の人権に対する制約を伴います。今般の感染症法改正案は人権上大きな問題を孕んでいるものと言わざるを得ないように思われます。こうした内容を含む感染症法の改正は、さらなる社会的混乱を招くことも強く危惧されます。
医療事故情報センターでも、感染症法改正に対して反対する内容の理事長声明を公表することとなりました。
全文を本号と同封しておりますので、是非ご覧ください。