柄沢好宣(嘱託)(2024年10月センターニュース439号情報センター日誌より)
公式LINE等を通じた情報配信へ
医療事故調査・支援センター(日本医療安全調査機構)では、今年8月28日、医療安全に関する情報配信として、「公式LINE」と「anなび」の運用を開始したことを公表しました(https://www.medsafe.or.jp/modules/news/index.php?content_id=335)。
「公式LINE」では、コミュニケーションアプリ「LINE」を利用して、「anなび」は、メールマガジン形式で医療安全に関する情報発信をしていくものになっているようです。「公式LINE」については、一部コンテンツが既に利用可能になっており、利用登録をすることで、「医療事故の再発防止に向けた提言」や「提言動画」を閲覧・視聴することができます。
市民の啓発に向けて
「公式LINE」も「anなび」も、医療従事者に限らず、誰でも登録できるようになっています(実際に私も登録をしてみました)。
LINEについては、既に皆さんの多くが利用されているアプリであると思います。医療事故調査・支援センターのホームページでは詳細は記載されていませんが、LINEが広く利用されているアプリであることからすると、今回の情報発信の狙いのひとつには、医療安全、特に医療事故調査制度の市民に対する啓発というものもあるように思われます。
医療事故調査制度は、来年10月で制度運用開始から丸10年が経ちます。しかしながら、法律相談に対応している中では、医療事故調査制度について知らないという方もまだ一定数いらっしゃいます。医療事故として報告されるべき事例が適切に報告されていないことは各所で指摘されているところです。私たち市民もまた、医療事故調査制度についてきちんと学んでいくことが重要ではないでしょうか。
涙と汗を結実させるために
日本医療安全調査機構の「しずく」のシンボルマークは、遺族や患者の“涙”と、医療関係者らの“汗”を表しています。医療の安全は、医療従事者の方々の努力だけでは実現しません。
この“涙”と“汗”を結実させるために、今回の運用を機に、より一層、私たち市民に対して医療事故調査制度についての認識や理解が広がっていくことが期待されます。