役員
理事長 柴田義朗(弁護士・愛知県弁護士会)
【略歴】
1960年 長崎県に生まれる
1982年 早稲田大学法学部卒業
1984年 司法試験合格
1985年 司法研修所入所(39期)
1987年 弁護士登録(名古屋弁護士会)
1997年 医療事故情報センター副理事長
2001年 医療事故情報センター理事長
【理事長就任時挨拶】(2001.5.26)
医療事故情報センターの設立当時、私には医療過誤事件の経験はほとんどありませんでした。知人もほとんどなく、経験不足もあって、常任理事に名を連ねてい たものの、正直言って座りの悪い感じがしていました。それが、設立総会に全国から集まった会員の方々の医療過誤事件に対する情熱に触れ、新しく何かが生ま
れようとしている現場に立ち会っていることを実感しました。大変感動し、医療過誤事件をライフワークの一つにできたらとの思いを抱いたひとときでした。あ れから10年余りが経過しました。医療事故訴訟の提訴数も増加し、勝訴率も上昇する傾向にあります。センターでの協力医紹介などの業務がこれに少しでも寄与しているとすれば、センターの業務に携わってきた者として感慨もひとしおです。
この度、加藤理事長が退任することとなり、私が理事長に就任することとなりました。カリスマ患者側弁護士の加藤前理事長に比べて軽量級の私に対しては、 「力量不足ではないか」などとの会員のみなさんの声が聞こえてきそうです。私自身、責任の重さに不安を感じています。しかしながら、幸い嘱託弁護士の堀弁
護士を初めとして優秀なスタッフに恵まれています。加藤前理事長も常任理事として留任されます。これまで築き上げてきたセンターとしての10年間の蓄積も あります。今後も、協力医を拡充するなどして、会員のみなさんのリクエストに円滑に応えていきたいと思っています。
センターの会員数は創立当初の111名が現在では500名を超える勢いです。患者側弁護士が少数でギルドを形成しノウハウを伝授していくことは、名人芸 の訴訟活動を生み出しえるかもしれません。しかし、数多くの医療被害者の救済のためには、患者側弁護士のギルドでは弁護士の絶対数が不足します。センター
の全ての会員にセンターの情報・ノウハウを開示し、医療過誤事件の困難さを多く弁護士が打破していければ、医療被害者の救済が広く図れるはずで、そのため の体制作りに今後励みたいと思います。会員のみなさんのご支援をよろしくお願いします。
【加藤良夫初代理事長退任時挨拶】(2001.5.26)
弁護士となって10年位経った頃、私はある先輩から「後継者を育てることを考えなさい」と言われました。当時は、「未だ自分が育ってもいないのに後継者を育てるなどといえる状況ではない」というのが率直な感想でありました。しかし、その後「後継者を育てる」ということの大切さ、そのことの持つ意味等を認識できるようになり、センターの事務局が現在の場所に移転する頃にはすでにバトンタッチをすべきタイミングを考えておりました。
「医療過誤事件の被害者救済」や「患者の人権の確立」そして「医療の質の向上・安全な医療の確立」というテーマは、どんなに頑張ってみたところで一人の力でなし得ることではありません。多くの被害者を迅速・的確に救済し、再発防止を図り医療の質の向上を実現していくためには、組織的に取り組むことが不可欠ですし、一つの良いシステムが構築され機能しはじめた時には、それが果たす役割・効果は実に大きなものです。
私が「医療事故情報センター構想」をまとめて公表したのは、1987年のことです。3年間の準備期間を経て、1990年12月にセンターが正式発足しました。発足当時111名であった正会員の数は今では485名となり、スタッフ、設備、協力者の輪のいずれも充実してきました。昨年11月からは、嘱託弁護士を置くことができるようになりました。
この10年程の間に、各地には医療過誤事件に取り組む弁護士のグループが増大するとともに、「医療過誤原告の会」「患者の権利法をつくる会」「医療事故調査会」「医療の安全に関する研究会」等がそれぞれ発足し活動を行うようになっています。これらの内外の活動の広がりを基礎として、2年毎に行ってきた全国一斉相談受付などの影響も加わり、医療訴訟の新受件数や、原告勝訴率も近時向上してきました。
昨年11月には、名古屋でセンター発足10周年の記念行事が実施されました。この記念行事を企画実行したのは、「次世代」の人達でした。私はフロアからシンポジウムを聞きながら、多くの若くて優秀な「次世代」が着実に育ってきていることをあらためて実感することができ、じんわりと涙の滲む思いになりました。
「医療事故情報センター」は、すでに数年前から私が力一杯牽引していかなくても「次世代」によって十分に機能するようになっています。今般私は理事長を退任し、当面は、常任理事の一人として、柴田理事長を中心とする体制をサポートしていくつもりです。
今後私は個別事件へのウェイトを徐々に減少させつつ、医療の質・医療の安全性を高めていくための新しいシステムの構築や、患者の人権を中心に置いた医療改革に向けて人的つながりを一層発展させていく方向にエネルギーを費やしていこうと思います。そして、当面の具体的課題としては、1997年に公表した「医療被害防止・救済センター構想」の実現のために誠実に取り組んでいきたいと思っています。この構想への取り組みは、「医療事故情報センター」の設立趣旨・目的とも決して矛盾するものではなく、センターをより一層発展させていくという面もあわせてもっていることを確信しています。
私は、「医療事故情報センター」の活動を通して、多くの仲間と協力し合って一つのものごとを成し遂げていくという改革・創造のロマンとダイナミズムを体感することができました。このような感動は人生の中で何度も味わえるものではありません。本当にありがとうございました。ご協力戴いた多くの皆様方に深く感謝すると共に新しい体制に温かいご支援ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げて退任のあいさつとさせて頂きます。
役員一覧
役職名 | 氏名 | 所属県 |
理事長 | 柴田義朗 | 愛知県 |
副理事長 | 五十嵐裕美 | 東京都 |
副理事長 | 増田聖子 | 愛知県 |
常任理事 | 伊藤陽児 | 愛知県 |
常任理事 | 大辻美玲 | 愛知県 |
常任理事 | 景山智也 | 愛知県 |
常任理事 | 加藤良夫 | 愛知県 |
常任理事 | 堀 康司 | 愛知県 |
常任理事 | 松山 健 | 愛知県 |
常任理事 | 水野 功 | 愛知県 |
理事 | 青島明生 | 富山県 |
理事 | 青山雅幸 | 静岡県 |
理事 | 秋山 誠 | 埼玉県 |
理事 | 粟田真人 | 石川県 |
理事 | 宇野裕明 | 大阪府 |
理事 | 榎園利浩 | 東京都 |
理事 | 大杉洋平 | 千葉県 |
理事 | 小野郁美 | 兵庫県 |
理事 | 笠原徳之 | 埼玉県 |
理事 | 金田健一郎 | 青森県 |
理事 | 木下正一郎 | 東京都 |
理事 | 久保井 摂 | 福岡県 |
理事 | 小林展大 | 神奈川県 |
理事 | 鈴木絢子 |
宮城県 |
理事 | 鈴木 順 | 神奈川県 |
理事 | 高橋真一 | 鳥取県 |
理事 | 髙良 誠 | 沖縄県 |
理事 | 武谷 元 |
東京都 |
理事 | 田端綾子 | 北海道 |
理事 | 野尻昌宏 | 東京都 |
理事 | 羽賀康子 | 愛知県 |
理事 | 堀田伸吾 | 新潟県 |
理事 | 水野彰子 | 島根県 |
理事 | 村上 晃 | 長野県 |
理事 | 八尋光秀 | 福岡県 |
理事 | 山本賢昌 | 岡山県 |
理事 | 横山貴之 | 愛知県 |
理事 | 吉野 晶 | 群馬県 |
監事 | 梅田欣一 | 静岡県 |
監事 | 川瀬裕久 | 愛知県 |
基金運営委員長 | 鈴木含美 | 愛知県 |
基金運営委員 | 新倉 武 | 神奈川県 |
嘱託 | 柄沢好宣 | 愛知県 |